2009-12

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レムの穴

最後の記憶では確かに布団の中に入っていた。
だからこれは夢であるはずなんだ。
そうでなければ僕は今、部屋着を着ているはずだ。
でもしっかりとコートを着込んでブーツを履いている。
だから夢だろう。多分。

寒い。
ここはどこだ。
暗い。

床がコンクリートだというのは踏んだ感触や足音で分かる。
そしてその足音の響きで、ここが屋内だと言うことも分かる。
手を横へ伸ばして壁を探すと、手に触れた感触は冷たくて固い...これもコンクリートだ。
天井はどうだろうか...と思って手を伸ばしてみたが届かない。
頭をぶつける心配は無い様だ。
少なくとも床と壁がコンクリートで、天井は手が届かない屋内、ということはわかった。

前と後ろ、どちらへ行けば外が近いのだろうか。

それは考えても手を伸ばしても耳を澄ましてもわかりそうになかった。
だから僕はとりあえず前方へ歩を進めた。
これが本当に「前」なのかどうかはわからないけど。

しばらく手探りでゆっくりと歩いた。
そして前へ伸ばしていた手に壁が触れた。
行き止まりだ。
ドアか何か無いだろうかと思い、探ってみると冷たい金属の棒に触れた。
壁にしっかりと固定されているから、きっと梯子だろうと思って更に上の方も探ってみたらやはりまた金属の棒があった。
梯子だ。
ぐい、と引っ張って強度を確認したが大丈夫そうだ。
ゆっくりと上へ昇った。
頭をぶつけるのがいやなので、天井を探りながら。

やがて天井に行き当たった。
押しても開かないから、どこかに留め金か取手か何かがあるはずだ。
淵をなぞると、それらしきものの感触。
手でなぞって構造を探る。
簡単なつっかいがしてあるだけだった。

ぐ、と持ち上げると外の空気。
そして灯り。
顔を覗かせるとオレンジの光に照らされてまぶしかった。
目が慣れるよりも先に、大きな影がこちらへ向かって来た。
僕の少し手前で止まる。
見上げてみるが、逆光で見えない。
足元をみたら、大きな...大き過ぎるピカピカの革靴。
革靴の主が腰を折って礼をした。
「ようこそ、ゆめのくにへ。ここから先はあなたのゆめです」

そうかやっぱり夢か。
しかし、じゃあ今通って来た場所は何だと言うのだ。


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sleeping world

たまに、本当にたまに、全てがくだらなくなる。
もうこんな、こんなくだらない世界には居なくても構わない気になる。
消えたいというわけではなく、きっと飽いたのだ。
きっかけなんて無い。
TVを見ている時、友達と話して笑っている時、なぜかふと我に返る時がある。
まるで夢から覚めたみたいに「ああ、どうでも良いな」と、そんな気分が一気に脳を支配する。

だからそういう時は、一度死ぬ。

この町で一番高い場所にある、あの空き地の歪んだ金網によじ登って、立つ。
支柱が途中で曲がっているせいで、ぐらぐらと揺れる。
狭い足場を綱渡りする。
朝なら朝日を背中に、夕方なら夕日を正面に浴びて、僕は右側に落ちる。
今日は雲が分厚くて、太陽がどこにあるか解らない。



草の上に落ちて、そのまま目を閉じる。
呼吸が一瞬止まる。



右側は冷たい草地。



左側は、狭くて暖かい棺桶だ。



夢から覚めたって、絶望した訳じゃないんだ。
死にたい訳でも無い。
ただ、自分がどこに居るのか解らなくなる、たまにそんなことがあるだけ。
今目覚めたこの世界こそが、実は夢なんじゃないかと
たまにそう望みたくなるだけ。

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