2017-10

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黄昏

オレンジ。
目を開けたら視界一面オレンジ色だった。
寝そべったまま手足を投げ出したまま首を動かしたら後方は藍。
キェー、と鳥が鳴いて姿を確認出来ないまま過ぎ去った。
気持ちの悪い鳴き声だった。
体を起こしたらそこは湿った草原で、緩い傾斜の途中だった。
見下ろしても振り返っても草原。
立ち上がって改めて見渡しても草原。
おれは死んでしまったのかな、と思ったが
草の匂いはリアルで尻の辺りが湿った感じもやたらとリアルだ。
ああ、多分生きている。
とりあえず下る事にした。
足もまともに動いた。
下って行くと、街の様なものが見えて来た。
あと少しで日が完全に隠れるというのに明かりは一つも無い。
ふと、自分の姿を見てみる。
土か何かで汚れたのだろうか、シャツもズボンもまだらに茶色い。
手で触って確認してみると、ザラザラしていた。
腰にはベルト、ベルトには同じ形をした小さなポーチが五つ程ならんでついていた。
ベルトが通っている穴から同じようにしてもう一つ、右足側に銃のホルダーが下がっている。
肝心の銃は、と思って体中を探ってみたら右手につかんでいた。
多分目が覚める前からずっと握ったままだったんだろう。
こつ、と足に固くて軽い感触があった。
固くて黒いブーツが蹴ったのは白い棒だった。
何だろう、と思ったが屈んで確かめて見る気にはならなかった。
ふと、目を上げるとそこいらにそれはあった。
草に隠れて見えなかったがよく見ると、棒だけじゃなくて丸いものもあった。
そうか。
そうか、みんな死んだのだ。
そうか、おれは生きているのだ。
だけど、おかしくないか。
骨だぞ。
骨になっている。
どれだけの時間が経ったのだ。
おれは一体どれだけ目を瞑ったままだったのだ。
答えをくれそうな者は居なかった。
だから足を動かした。
街へ、行ってみよう。

だけど街へ入る少し手前で躊躇した。
人が居ない。
何の気配もしない。
ここがどこなのか、頭に地名は浮かんでこなかったが地図が浮かび上がる。
目の前の通りを入ってすぐそこに、酒場があったはずだ。
酒場の向かいには宿、道をもう少し行けば住宅街で...。
だけど、物音一つしないどころか殆ど崩壊していた。
壊れていただけならまだ良かった。
固い地面のあちこちから草が生えている。
壁には蔦が這っている。
確実にかなりの時間が経っている。
確かにここは、頭の中の地図の場所なのに。
それだけはわかるのに。

突然、凄く寒くなった。
今まで何ともなかったのに、ぶるぶると震える程に寒くなった。
空はすっかり藍色に染まった。
日は沈んだ。
余韻のような薄らとした明るさの中で
見渡せども見渡せども
求めるものは何も見出せなかった。

混乱したまま、酒場の戸を開けると
明るい光と酒や食べ物の匂い、暖かい空気が溢れ出した。

そう期待したかった。

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